1926年5月華厳宗大本山東大寺の僧侶たちは、向学の志高く、社会貢献への意欲溢れる勤労青年の思いを叶えるために、夜間の学校を開かれました。これが本学園の出発点となる金鐘中等学校の設立です。その後、1947年4月に菁々中学校を開校し、1963年4月には高等学校を併設して、これを機に校名も東大寺学園中・高等学校に改称しました。1986年4月に学舎は、東大寺境内を離れ、奈良市北端の丘陵の一角に移転しましたが、社会へ有為な人材を輩出したいという熱い思い、ひとりひとりの生徒の個性を大切に、生徒の自主性を重んずる教育は、本校の伝統として今日にも引き継がれています。小鳥のさえずりが聞こえる静かな雑木林に囲まれた校地で、中・高合わせて約1200名が日々勉学やクラブ活動に励んでいます。校地より南は、神功皇后陵、成務天皇陵、日葉酢媛命(ひばすひめみこと)陵などの佐紀盾列(さきたたなみ)古墳群へとつながっています。四季折々の表情を見せる自然に親しみ、いにしえの歴史に想いを馳せることのできるこの環境は、何ものにも代え難いと思っています。
 本校では、授業は「進度」より「深度」に重きをおいた内容になっています。いたずらに先を急がせることはありません。じっくり考えることを通じて、しっかりとした思考力を養ってほしいと考えています。同時に、多士多彩、個性的な教員からさまざまな知識を吸収し、幅広い教養を身につけることも望んでいます。授業以外でも、数多くの行事を組んでいます。中学では「東大寺学」、臨海学習や研修旅行・スキー研修等の体験学習、球技大会・体育大会やマラソン大会があります。高校でも夏山登山や修学旅行があります。秋にある菁々祭(文化祭)は全学あげての取り組みです。また、本校は、クラブ活動への取り組みにも力を入れています。運動系・文化系のクラブや同好会の中には、全国レベルの成果をあげているものもあります。行事やクラブ活動を通じて、努力することや協調することの意義を体得しでほしいと願っています。境界が曖昧となり、多様化する今日の社会にあって、本校の教育を通じて、生徒たちが将来、大人として生きていく上で必要な知性や心を身につけてほしいと思っています。私共は、伝統によりかかることなく、今後もこの目的のため歩みを進めて行きたいと考えます。